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136話 それぞれの愛

last update Date de publication: 2026-06-05 09:54:36

「後は任せて良いか」

俺が堤氏にそう聞くと堤氏が頷く。

「はい、大丈夫です。こちらに任せて頂いて」

そう言われて俺は聖カトリーナへ急ぐ。

(燈は……燈は大丈夫なのか……?)

俺は自分の手を見ながら、その手を握り締める。

空を切った手……本当に肝が冷えた。一瞬にして最悪のシナリオが頭の中に浮かんだ。俺の隣でそんな燈の腕をがっちり掴んだ高嶺さんを見て、俺は力が抜けたのだ。

自分の手をパッと開き、力を抜く。

早く聖カトリーナへ向かわなければ。

移動しながら加山良江に連絡を入れる。きっと高嶺さんは処置に追われているだろうと思ったからだ。すぐに加山良江から連絡が返って来て、燈が聖カトリーナへ搬送され、処置を受けているという。後から出発した千堂理の病状も気になる。高嶺さんからの連絡にはベンゾ・マスクになっているという。

論文でしか読んだ事の無い症例。

しかも本人がそうなっているのは、あのマッドサイエンティストの父親のせいだろう。

車での移動を開始しながら、考える。

自身の父親がやっている事への反意としてなのか、この世の人たちへの注意喚起なのか……。そんな論文を発表したら、自身の父親に捕らわれると
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